スチームボーイ

 
歯車とボイラーだけで、ご飯が三杯いけてしまう。
そんな「スチームフェチ」(笑)には絶対オススメの映画です。
 
CMでおなじみの一輪バイクのチェイスを始め、気球の巨大アームVS蒸気機関車
とか、蒸気動甲冑の軍勢とか、主人公と蒸気オーニソプター(羽ばたき飛行機)との
空戦とか、とにかく「これでもか!」という密度で詰め込まれた奇妙なメカのアクション
の数々。
そして極めつけは、もくもくと蒸気を吹き出しながら浮上する、巨大なスチーム城!
 
最近は、「CMで観たアクションが最大の見せ場だった…」という、がっかりな映画
も多いのですが、本作は「アクションに次ぐアクション!」という形容が決して誇張で
ないだけの充実度があり、「こういった世界観が大好き!」という人ならば、
お金を出して観に行っても損はないと思います。
 
監督の大友克洋は、以前「大砲の街」という短編アニメーションを制作していて、
これが「スチームフェチ」的に、かなり「濃い」作品だったのですが、彼の「蒸気熱」
は、この一作だけでは冷めなかったんですねぇ…(というか、むしろ火がついた?)
 
とにかく、「俺はスチームパンクがすきなんだぁぁぁ!!!」という監督の情熱が、微笑ましい
ほどに画面から伝わってくる点。この映画で私がもっとも評価しているのはそこです。
 
一方、苦言を述べさせてもらうと、娯楽作品としての構成がかなり甘いです。
と、いうかドラマ面はちっとも面白くありません。
ヒロインとのロマンスとか、やりたくないなら最初から入れなきゃいいのに…(^^;
 
なんか、続編があるって話なんだけど、コレだけ長い間「スチーム」創ってきて、
まだやれるんですか大友監督!? …見事です!!